「帰るぞ～お前らバス乗れ」


先生があたし達を無理やりバスに乗せた


さっきと一緒であたしは彬ちゃんの隣に座った


「彬ちゃん何かみたの？」


あたしが彬ちゃんに話しかけても彬ちゃんは何も話してくれなかった


さっきと一緒で何やら真剣な顔をして考え事をしていた


なによ、あたしの話し聞いてくれたっていいじゃない


でもこの時あたしに危険が迫ってることを知らなかった


ましてや、あたしのことで、悩んでるなんて知らなかった


いつもあなたはそうだったね


あたしのことや下っ端のことになると周りが見えなくなるよね


いつもあたしはそれで悩まされたんだよ


「千紗」


いつもと変わらない彬ちゃんの声に反応してしまう


「何？」
「.....いや、何でもねぇ」


何だったの？


その後を何を話してもあたしの質問や会話を聞いてくれることはなかった


いつの間にか"早く目的地に着いて"と願っていた


早く、早く時間が過ぎて


周りはガヤガヤうるさいのにあたし達の間には緊張の糸が張っていた