どこにあるかな


色んなところを探してみたもののお宝は一つも見当たらない


見つけたと思ったらはずれで、そんなのが何回か繰り返してるうちに彬ちゃんがいらいらし始めた


そんなイライラしてる彬ちゃんを宥めるあたしを雄ちゃんは呑気にクスクス笑って見ていた


「あったあった!」


歩きまわること1時間


未だに見つからないお宝を夢みてあたし達はひたすら歩く


「まだかよ、んとにめんどくさせ――な」


本当にめんどくさそうな彬ちゃん


彬ちゃんもう少しだからがんばって!


あたしは何度も心の中で呟いた


彬ちゃんが暴れ出しませんように


「千紗」


彬ちゃんに名前を呼ばれて振り返ると彬ちゃんは手を差し出していた


「...?どうしたの」


不思議に思いつつ彬ちゃんの手を握るあたし


彬ちゃんははぁ~とため息をついてあたしを見た


「千紗危なっかしいから」


ぶっきらぼうにそれだけいってあたしの隣を歩いてくれた


嬉しさをかみしめながらあたしはニコニコしながら彬ちゃんの手を握っていた


彬ちゃんの手からはなぜだがすごくパワーをもらえる


彬ちゃんの手を握ってると何でも出来そうな気がする


ギュ―っと握り返すと彬ちゃんはあたしを一瞬見てからまた前を向いて歩きだした


「あ――――っあったあった」


裕美の大きな声にあたしは驚いて裕美を見た