――――――眠い


バスの中であたしは彬ちゃんの隣でうとうとしていた


バスが出発して1時間


合宿場にはあと3時間はかかるらしい


このまま揺られてたらあたし眠っちゃうかもしれない


重たくなってゆく目を必死にごしごし書いた


眠っちゃだめ


せっかく無理言って彬ちゃんと隣の席にしてもらったのに


本当は男女が一緒になっちゃいけないんだって先生が言ってた


でも、あたしはこっそりと裕美に席を代わってもらった


裕美は雄ちゃんの隣に腰をおろして何やら楽しそうに話をしている


ん~眠い


油断すると瞼が落ちて眠りにつく


――――ゴンッ!


「―――――ん!いたぁい」
「何してんだよ、大丈夫か?」


あたしは思いっきり窓ガラスに頭を打って頭を抱えてうなっていた


そんなあたしを見かねた彬ちゃんがあたしをギリギリまで引きよせる


「あっあぁあきちゃん!?」


軽くパニックになるのを必死で押さえていたあたし


彬ちゃんはあたしの頭をクシャッとなでる


「大丈夫か?」
「ん。大丈夫だよ。ありがとう彬ちゃん」


彬ちゃんに身を任せてあたしはゆっくり瞼を閉じた


周りの声が聞こえる


がやがや言ってる周りを無視してあたしは全神経を彬ちゃんに向けていた


彬ちゃんの広くて大きな胸板