あ―――確かに、怖いとしか思わなかったから


怯えてたのかもしれないあたし


「怖かったけど....」


あたしの消えそうな声に彼は耳を傾ける


「怖かったけど、もう怖くない!」


にっこり笑うと、彼も一緒に微笑んだ


シャ――っと音がして、あたしの寝てるベットを囲むカーテンが開いた


「おっ目が覚めてる」


ひょこっと顔を出したのは雄二さんだった


「雄二さん、さっきは倒れてしまってごめんなさい」
「嫌いいよ、あれは倒れるよ。なっ彬?」


雄二さんは彬人さんにあたしから視線を変えた


それに築いた彬人さんがコクントうなずいた


「はいこれ!女の子の趣味って分かんないからこれでいいか迷ったんだけど」


そ―言って渡してくれたのはあたしの大好きな、オレンジジュースだった


「わぁ~あたしこれ大好きなの、ありがとう」


思わず嬉し笑みをこぼすと、一瞬2人が無表情になった


あっあれ?あたしなんか変だったかな?


「いただきます」


まいっかと思ってオレンジジュースを開けて一口飲んだ


乾いていた喉が潤って声が出やすくなった


「本当にありがとうございました!あの、今何時ですか?」


携帯をカバンの中に入れたままのあたしには時間はさっぱり分からなかった


「今?今ね、12時半」


12時半かぁ~....えっ?12時半!?


あたしどれだけ眠ってたんだろう


「あのごめんなさい!こんな寝てるなんて思わなくて、授業出なきゃいけないですよね!」