「起きたか?」


横からいきなり話しかけられてあたしの方がびくっと揺れた


「キャッ!」


それと同時に小さな悲鳴があたりに響いた


ゆっくり声がしたほうに向くとそこには、どこか焦ってて困った顔であたしの顔をのぞく彬人さんの姿があった


あれ?この人さっきまでの人かな?


なんだか顔が違うような....これは夢?


「おぃ!」


夢と思いたかったあたしの思考を変えたのは彼だった


「やっぱり本物....?」
「あったりまえだろ!?」
「ヤッ分かったから、怒鳴らないで」


怯えるように肩を震わせると、彼はそっとあたしの頭をなでた


なんだか、優しい


さっきまでの人とは大違いみたい


「ふっバーカ、誰もおこんねぇよ」


優しい笑顔であたしの頭をなでる彼


本当に彬人さん?


「まるで....別人みたいですね」
「は?」
「あっいやなんでもないです」


なんだよッと笑ってまたあたしの頭をなでた


「悪かったな、俺の仲間がひでぇことして」


あの人たちは仲間だったんだ


「ううん、あたしこそよっぽど大事だったんだね、あのビール」


ふふっと耐えきれずに笑うと、彼は驚いた顔をした


「驚いた、俺お前の泣きがおと怯えた顔しか見たことねぇから」


そうだっけ?