声がして空から視線をドアへ移した


そこには、血だからけの服を着たあきちゃんが立っていた


「あ...きちゃ...ん」


驚きすぎて、声が出なくて、代わりに涙が流れて


寂しかったよ、死にかけたんだよあたし


「遅いわよ!」


裕美があたしの変わりにあきちゃんを殴った


「何すんだよ!」

「千紗...千紗は」

「やめて、裕美言わないで」


裕美の言いたいことが分かって、あたしは必死で裕美に訴えた


絶対言わないで、お願い言わないで


「言っちゃだめ!」

「千紗、呼吸困難になって死にかけたんだから!」


言っちゃだめだって言ったのに、今完全に裕美あたしのこと見えてないね


はぁ...あきちゃんにはばれたくなかったのに


「マジかよ、大丈夫か?」


両頬に手をそれてあきちゃんがあたしの顔をのぞいた


「大丈夫、待ってたよ」

「待たせたな!直人とは決着ついたぞ。あいつを警察に突き出してきた」


なおちゃんが警察に?!


そっか、もう本当に縛られなくていいんだ


「俺も雄二もあたるも面子も...翔も無事だ」


みんな無事なんだ


「「千紗さん!お帰りなさい!」」


あたるちゃんや翔や面子達やレディースのみんなや波留が病室に入ってきた


「みんな!ただいま!」