大きな夢と、明日に向かう勇気と、明日に向かう元気


「大きな夢と勇気かぁ」

「いや、勇気は俺言ってないよ」


あれ?いってなかったっけ?


「ふふっごめんなさい」

「よかった、千紗ちゃんやっと笑った」


もしかして、あたしを元気付けるために話しに来てくれたのかな


ゆうちゃんは誰よりもあたしを心配してくれるんだ


「ありがとう、あたしもうなおちゃんのことは忘れる。あきちゃんのことだけ考える」

「あぁ、そのほうがいいよ、あきも喜ぶよ」


ゆうちゃんの笑ったかお久しぶりに見た気がする


「あたし前に進めるかな」

「進めるよ、まえに進まなきゃ人は生きてはいけない」


ゆうちゃんも、まえに進めなくなった時があるのかな


「颯が死んだ日から、俺は1年もずっと前に進めなかった」


あたしの考えていたことを悟ったのかゆうちゃんが話した


颯さんが死んでから、1年も


ゆうちゃんのほうがあたしよりも過酷な人生を送っているのかもしれない


あたしの経験なんてあきちゃんやゆうちゃんに比べたら比べ物にならないほど小さいのかもしれない


なんだか前に進めたような気がした


そして、素直になれるような気がした


あきちゃん、あたしあきちゃんのそばからもう離れない


あたしもう自分を失わない、もう壊れたりしない


もう大丈夫だから、ゆうちゃんに救ってもらったからもう一度あたしにチャンスをちょうだいね


もう少し、頑張ってみるから。昔のあたしに戻れるように頑張るから


だから、あきちゃんの彼女でいさせてね


「ゆうちゃん、ありがとう」