「あたし守れなかったの!だから、あたしいなくなれば。なおちゃんだってあきちゃん達を殺せなくなる!だから、だから...さようなら」


ベットの上から床に足をつけてあきちゃんの隣を去ろうとした


涙を目一杯にためて、泣きたいのを我慢して、隣を立ち去ろうとしたのに


なのにどうして?


「あきちゃん離して?」

「離さない!もういやなんだよ!お前が俺の前からいなくなるのが!!」


ねぇあきちゃん、今泣いてますか?


あたしは泣いています。あなたを思って泣いています


1ヶ月、離れていた1ヶ月ずっと夜に泣き続けました


「ごめんねあきちゃん、絶対戻ってくるから、だから頭冷やしたいな」


そう言ったらあきちゃんはあたしから手を離した


するっと手が自由になってそのまま駆けだした


走って走って走り、着いた場所は病院内の中庭だった


あたり一面に広がる緑の芝生に小さな花がきれいに咲いている


風が吹けばゆらゆらと揺れて、そこはとても落ち着く場所だった


自分を見失っていたあたしに我を戻してくれる場所だった


あきちゃん達にひどいこと言っちゃった


あ―――もう!あたしなんなの?!


あたし何で逆に傷つけるようなこと言っちゃうんだろう


何であたしいつもこうなんだろう、何で我を失うんだろう


何で思い通りに事が進まないんだろう


何で思ってることと反対のことを行ってしまうんだろう


あたしは、あたしはどうしたらいいんだろう


どうしたら、どうしたら素直になれるんだろう


「はぁ~」


大きくため息をついて空を見上げた