「バーカ、お前の考えなんてお見通しなんだよ。そりゃ最初はいらついたけどさ、でもちゃんと考えればお前が何も言わずに姿消すなんておかしいっと思って」



あきちゃんはちゃんとあたしを考えてくれてたんだ


なのにあたし、早くあきちゃんに恋人できればいいなんて思っちゃって


しかも、翔があたしの恋人だったらいいのにって思って、どこまで最低なんだろう


「そんなしけた顔してんじゃねぇよ」


フッと目を細めて笑うあきちゃんに申し訳なく思った


「あきちゃん、お願いがあるの」

「なんだよ」

「翔を、翔を龍王から救ってあげてほしいの」


あたし約束したの、翔を絶対救ってみせるって


「約束破れない、お願い!」

「そいつがお前を守ってくれてたんだろ?それならそいつ救ってやる」


あきちゃん...あきちゃんならわかってくれるって信じてた!


「あきちゃん!だぁ~いすき!」


大きな声を発しながらあきちゃんに抱きついた


あきちゃん、好きだよ、怖いけど優しいあきちゃんが大好きだよ


「何でそんなにかっこいいの」

「はぁ!?しらねぇし」


ふっ、絶対今照れてるよね


ちょっと分かるようになってきた


あきちゃんが照れる時は、声がいじょうに大きくなる


「ふっふふふ」

「きもちわりぃよ」

「だぁって」


あきちゃんの胸板から顔を上げるとすごく近くなって今でも唇が触れそうだった


そのままあきちゃんが顔を傾けてあたしに近づいてきたからあたしも目を瞑った


数秒唇がくっついていた


久しぶりのあきちゃんの温もりだった