そっとあきちゃんの頬に手を添えて幻覚じゃないことを確かめる


「本物...?」

「本物だ、助けにきたぞ千紗」


嘘...神様はあたしの見方をしてくれたってこと?


神様はあたしを助けてくれたの?


「あきちゃぁぁぁぁぁん、うわぁぁぁぁぁん」


あきちゃんに思いっきり抱きついてあたしは声を出して泣いた


あきちゃんが帰ってきてくれた、あたしを救ってくれた


あきちゃんが...みんなが...あたしを見つけ出してくれた


「千紗っ!!」


裕美の声が聞こえて、ゆうちゃんの声が聞こえて、あたるちゃんの声が聞こえて、面子がはいってきた


その光景に驚いてあたしは気を失いかけた


「千紗、1か月ぶりだね。やっと、やっと見つけれた」


裕美があたしを抱きしめる、裕美が涙を流しながらあたしの名前を何度も何度も呼んだ


「千紗...遅くなってごめんね。彬人にメール送ってくれてありがとう」


メール、裕美も見てくれたんだ


「ふぇ...っ裕美ぃ」


裕美の腕のなかが温かい


やっとひとの温かさに触れられたあたしは、ほっとしてそのままずるっと眠りについてしまった


「千紗おやすみ...」


裕美の温かい声であたしは眠りの中へと吸い込まれていった