たくさんの人からメールが来ていた


その中で一番多かったのは、“あきちゃん”と“裕美”だった


ゆうちゃんからもいっぱいメールが来ていた


それを一つ一つ開けて呼んで行く


“千紗、今日は度っか行くのか?” あきちゃん

“千紗、今から家行ってもいい?” 裕美

“お~い、千紗?” 裕美

“おぃ千紗、いい加減にしろよ?”あきちゃん

“千紗どうしてメール返してくれないの?”裕美

“千紗今どこに居るの?” ママ

“千紗!いい加減に帰ってきなさい” パパ

“千紗、お前本当にどこ行ったんだよ。なんでメールくれねぇんだよ” あきちゃん

“千紗、どこに居るの?何してるの?”


読んでいくにつれて、みんなの口調が変わってゆく


それはを呼んで行くとどれだけあたしを心配してるのかが分かる


あたしがどれだけひどいことをしたかが分かる


メールを無視したことなかったあたしが音信不通になるなんておかしいと思ったんだろう


だから、見んなあたしを探してくれてる


みんなの状況が分かった


あたし最低なことしてる、あきちゃんがほかの人と恋してるなんて思った自分を恨みたい


最低だ、こんなにあたしに毎日メール送ってくれてるのに


なのに、なのにメール無視して。みんなへの罪悪感があたしの中で生まれた


責めてあきちゃんにだけでも、あきちゃんにメールを返したい


“あきちゃん...あたしは今○○町の○○アパートに居ます。
 助けて、あたしを助けて...”


精一杯あたしの気持ちをあきちゃんへぶつけた


あきちゃんからはすぐにメールの返事が来た


でもそれをあたしは開けなかった


開けなかった、どうせ“いまさらお前なんか助けない”って書かれてるに違いない