嘔吐するのいやなんだもん、食事屋さんへ行っても食べて吐いて


吐くのもつらいんだから、食べて吐いての繰り返しなら、食べないほうがいい


食べないほうがあたしのためでもあるの


「帰ろうよ、ファミレスなんて行きたくない」

「じゃー病院行きましょう」

「行かないよ、病院もファミレスも行かない」


行けるもんならとっくに行ってる


いけないから行きたくないの、どうせ行ったって診察されて


DV受けてますね。誰ですか?


って聞かれてなおちゃんにまた殴られてそれで終わり


殴られる回数を減らしたい、痛い、あんなこともういや


助けてっていっても誰も助けてくれなくて、家に帰るのが少しでも遅かったら殴られる


毎日びくびくしながら生きていくなんていやだ


そんなことなら、部屋でずっと引きこもってたほうがまし


あるいは、ショッピングで外に居たほうがましなんだ


それがあたしの考えた答えなんだから、人にどうこう言われる筋合いはない


こんなひねくれた性格になったもの、なおちゃんがあたしのそばに居たから


変わってしまったなおちゃんがあたしを変えた


どうして変わってしまったのと言われても答えが出ない


だってどうして変わってしまったのなんて分からないんだから


いつの間にかこんな自分になってたんだもん


家に帰ってきたあたし達は、あたしは部屋へ翔はリビングへ別れた


翔を呼べばすぐに飛んできてくれる


形態も何もないこの部屋で、何もすることがなくて暇なときでさえ、眠ってればなにも考えなくて済む


そうだ、翔に探してもらえばいいんだ


「翔!」

「何ですか?」