ピピ...ピピ...ピピピピ


どれだけ眠ってたんだろう、電話の音で目が覚めた


手で無作為に携帯を探す


やっと届いたころには電話は鳴り終わっていた


携帯を開いて誰からかを確かめると...


「...あきちゃん」


あきちゃんからの電話だった


でないほうがよかったよね。切れて正解だよ


「千紗さん、ご飯食べてください」

「いらない」

「食てください」

「いらないってば!」


廊下から聞こえた付き人からの声


ご飯なんて食べたくない


諦めたのか、シーンと廊下が静まりかえった


携帯の電源を切って、携帯を投げつけた


壊れたって構わない


「はぁ!?」


数分たってなおちゃんが帰って来たのか、なおちゃんの起こった声が聞こえた


聞こえたと思ったらいきなり人の部屋に入ってきた


「千紗!飯くらい食えよ」

「いらない、何も食べたくない」


なおちゃんの顔を見ずにまたねっ転がった


「はぁ・・・、携帯貸せ」

「えっ!?」


けいたいなおちゃんに奪われるの?


「やっやだ!」

「貸せよ‼」