あたしができることは、今できることはそばで応援することじゃない、あきちゃん達をもう苦しめないようにすること


あきちゃんが苦しまないんだったらあたしなんて安いもんだよ


「待って、連れてって」

「やっとその気になったか?」

「なおちゃんが好きなんじゃない、あきちゃんを守りたいだけ」

「ふっ、素直じゃねぇ女」


素直じゃなくて結構です


「お願いがあるの、あきちゃん達には言わないで」

「いいぜ、分かった」


なおちゃんが満足そうな顔をしてあたしの手を引っ張ってどこかへ連れて行こうとした


「離してよ」

「俺の女だろ?俺の家で暮らしてもらわなきゃな。外出禁止だからな。何か買ってきてほしいものあったら俺か付き人に言え」


ありえない、どれだけあたしを信頼してないんだろう


あたし、自由が好きなのに


「かすみ草...」

「は?」

「かすみ草買って来て」


殺風景な彼の部屋にカスミソウは色がはえるだろう


「あとは何もいらない、早く買ってきて」

「ちっ、分かったよ」


なおちゃんがあたしから手を離して花屋にカスミソウを買いに行った


その間あたしは、なおちゃんの面子の男の子に見られていた


見はりはやな気分だ、始めてこんなことされた


仕方ないよね、だってあたしは彬ちゃんを裏切ったんだから


最低だよあたし


あきちゃんはあたしを信じ続けてるのかな?


突然あたしが姿を消したら驚くかな?


あたしを探してくれるかな?


これでもあたしは、あなたを守りたかったんだ