「昔の話すんじゃねぇよ‼」


何度殴られたって、何度蹴られたって昔の話しをするのをやめない


だって、昔の話しをすればなおちゃんは正気に戻るかもしれないから


戻ってよなおちゃん、いつからそんなひどい人になったの?


いつからそんな犯罪者になったの?


ねぇいつから?


あたしと別れた日から?それとももっともっと前から?


「殺されたいのか?」

「殺せるの?」

「ふっ、いい度胸だ」

「何する気?」



なおちゃんの目つきが変わり、あたしの胸倉を掴んで無理やりあたしを立たせた


そして、ぎりぎりまであたしと顔を近づけてニヤッと笑ってこう言った


「彬人を雄二を裕美を波留をあたるを面子をつぶしてやる」

「何言ってるの?」

「殺してやる、みんな殺してやるよ」


殺す...さっきまでの目つきじゃなくなったなおちゃんの目は本気だった


あきちゃん達を殺すとそう顔に書いてあるような気がした


「やめて、あきちゃん達を殺さないで」

「じゃー千紗、俺の女になれ?」

「いや」

「じゃー彬人達を殺してやる」


殺すなんて、そんなこと言わないでよ


「やめて、やめて離して!」

「千紗、お前に選ぶ権利を上げよう。俺の女になるか彬人たちを殺すか」


何その選択、選ぶ権利とか行って全然選びたいものないじゃない


何で人のことを考えられないんだろ


今のなおちゃんには何言っても無駄なんだ