急展開になったのは夕方ぐらいだった


近所の公園のブランコに座りながら頭を抱えていた


はぁ...結局行くところがない


どこ行けばいいのか分からない


あきちゃんがいなきゃつまんないよ


抗争が始まれば、あきちゃんもゆうちゃんも裕美も波留もあたるちゃんも面子達もみんなみんな動き回って学校どころじゃないだろう


裕美だってたぶん学校に来ない日が続くと思う


そんな裕美がいない暇な生活を送ると思ったらため息がもれる


こんな公園で一人でいたから、あたしは嫌な思いをする羽目になったんだ


「千紗?」

「...なおちゃん」


どうしてこの公園に居たらなおちゃんにあってしまうんだろうか


「なんでいるの」

「お前の彼氏が俺を追いかけまわすからだろうが」

「何で逃げるわけ?」

「だって、時ど場合ではあいつ殺すことになるぞ?」


殺す、その言葉に背筋が凍った


「どうして人を殺すの?」

「邪魔だから」


そう言って直ちゃんは壊れたように甲高い声で笑った


邪魔だからって人を殺していいわけない


「昔は優しかったのに」

「昔々うるせぇんだよ‼‼‼」


思いっきりなおちゃんがあたしのほっぺたをひっぱたいた


ブランコから転げ落ちて、砂浜に倒れた


顔にはたくさんの砂がついて、膝からは血がにじんでいた


「前はそんなすぐに怒って暴力なんか振るわなかった!」


負けずにあたしはまた昔の話しをする