「なんで朝帰りなのか知らないけどさ、食べれなくてざまぁみろだな。」

「秋はモデルオーディションで優勝したんだよ。昨日は事務所の人たちにお祝いしてもらったんだって。」


本当に昨日は秋のことにビックリした。でもあの後人間になった銀に出会ってさらに驚いたわけだけど……
私はいきなり自分の幼馴染が世間の注目をあつめる芸能人になったことが、まだ信じられなかった。


「ふ〜ん。あいつモデルになるんだ。俺のほうが普通にかっこいいのに。」


「はいはい。あ、ついたよ、大学。」


気づけば私の通う大学に着いた。校舎に入り、駐輪場までは少し距離がある。
その間、私たちは学内の生徒の注目をいっしんに集めていた。

まぁ、みんなが見るのはもちろん、荷台に座る銀だ。外見は並外れて美形なため、女子はおろか男子さえも思わず見てしまう。


「なんか俺たち目立ってない?」

「みんな銀をみてるんだよ!特に女子が!」

私がそういうと、銀はへ〜と言って、女の子たちにひらひらと手を降りはじめた。すると、ギャー!!という黄色い歓声が…。


「はは。おもしれぇー」


よけいに目立つことしないでよ…!!もうっ……!!