「本当ですから、大丈夫です。
あの方は、、、たださみしがりな方なので、怖がりなだけの人ですから。」


この勝ち誇ったような顔はいったいなんなんだ・・・。


・・・・・。
敵に回さないほうが絶対いいタイプか。



「ハハハ・・・」


「いつも人に冷たく接していますが、あれは裏切られることが怖いだけですから・・・。
本当は甘えん坊さんなんですよ。」


「へぇ・・・」


「あっ、気にしないでくださいね。
ただの戯れ言ですから・・・」




笑顔でしゃべっていたがベンさんのその目は、少し悲しげに見えた。
口には出さないけど・・・


裏切られる・・・



そのことの辛さはあたしにもわかる気がする。

裏切られた後の喪失感、虚無感。



あれはいくら経験しても一生なれることはないだろう、、、
なれてしまったら、生きていけない気がするから。



しかも、一国の王子となれば平民のあたしよりも人と関わることも多いと思う。


そのあともあたしとベンさんは他愛のないの話を結局昼過ぎまで続けた。




・・・・・・・・、噂が大好きな先輩方に見守られながら。