「お手数をお掛けしてすいませんでした」

紫咲さんの、手を煩わせてしまった
そこまで、気にすることだとは思わなかった

暫くは赤くなるだろうが、いつかは消える、程度のものだとしか捉えていなかった


「・・・夕雲さん、分かっていますか?私は、手間だとは思っていません。自分の体を気にしない夕雲さんを心配しているのです」

一旦洗い物を中断し、湿布を貼ってくれていた紫咲さんが目を合わせて言ってくる


心配?何故紫咲さんが私なんかの心配を?

「心配、ですか?えっと、すいませんでした?」


困惑して、とりあえず謝る私を見て、また深い溜め息をつく紫咲さん


ますます意味が分からず、ただ首を傾げる


何故心配するのかは一先ず置いといて、とりあえず、紫咲さんに心配をかけてしまったということだけは理解できる

紫咲さんは、本当優しい

他人のことをこんなに気にかけられるなんて