頭をフル回転させて記憶を辿る。

えーっと確か……大学から帰ってきて、晩ご飯作ってて、
それから……


「あーーーー!!!」

「へっ!?」
男はあたしの声に驚いたのか、情けない声を出していた。


思い出した!

「あたし、ベランダから落ちたんだ!!」

「…どういうこと?」

「洗濯物を取り込んでて、そしたらいきなり強い風が吹いて、あたしの下着が飛ばされちゃって…思わず柵から体のり出しちゃって手を伸ばしたら……」


男はあたしの話を聞くなり、呆れたという顔をしていた。

いや、自分でも呆れるけど……。