次の日。
玄関を開けたあたしの目の前には藤村君が居た。
「藤村君?」
な、なんで?
家逆方向だったような・・・。
「緩奈ちゃんから昨日の事聞いた。ほんっとうにごめん」
藤村君はあたしに頭を下げる。
「あの・・・顔上げて?」
あたしは藤村君に駆け寄った。
聖きちゃうから!
変に思われるから!
ガチャ・・
そんなあたしの願いもむなしく、聖が出て来てしまった。
「ちょ、春なにして・・・って、藤村先輩?!」
「え、なに、知り合い?」
あたしは2人の顔を交互に見る。
「え、あー、いや。俺がただ単に知ってるだけ。ってかなに?2人ってそういう関係?」
聖は驚いた様子であたしの顔を見る。
「うん。・・・彼氏」
なんか今紹介するのも微妙な気分。
「あー・・・春、だから昨日の夜飯食ってなかったのか・・・」
だからってなに?!
聖には刺された事言ってないし・・・