カラオケを出たあたしたちは夜の道を2人で歩いた。
「なんか無理言っちゃってごめんな?夜遅いのに」
「あ、ううん。誘ってくれてありがとうね」
隣に居る藤村君はイケメンで、あたしと並んで歩くのも持ったえないくらい。
「ねぇ、春ちゃんてさ、彼氏とか、好きな人とか居るの?」
しばらく歩いてると、藤村君がそんな事を言い出した。
彼氏はもちろんいない。
好きな人は・・・
いる。
けど───────────
"紹介したげる"
"せっかくのお誘いなのに!!"
"好きなんじゃない?はるちんの事"
"はるちん、行っといで"
背中を押してくれた緩奈ちゃんに悪い気がしちゃって。
「居ないよ」
そう答えた。