今が楽しければ良かった。
未来はなんとかなるだろうとか

そんなこと考えてた
今まではなんとかなった。


天川空奈 高校二年生
趣味は音楽
嫌いなものは勉強とチャラ男


今週もあと6日か、と考えただけで気が滅入る。
それで気を晴らすために歌う。


「そらちゃん!英単語やったー?」

今回の席替えで奇跡的に隣になった、クラスで一番仲が良い市原美里が単語帳を片手に苦笑い。

「やるわけないじゃんー!はっきり言ってこんなの覚えるの不可能だから」

頬杖をつきながらやけに明るい声を出した。
また、ごまかした。


自分で言うのはあれだけど、本当はやれば出来る。絶対出来る。
だが、やらない。面倒。勉強したくない。嫌い。


「だよねー!でもあたしも出来てないから見せてよ」

「そらの見ても白紙だから何も分かんないよー!」


そう言っていたミサは20問中10問も解けていた。
結局みんなちゃんとやってるんだから。


溜め息をついてミサの解答用紙にうさぎが風船を持っている絵を描いた。
『すごいじゃん!』って言うメッセージを添えて。



「先生ー!こんなのできるわけないじゃん」


いちいち先生にため口の男子にも腹が立った。
どんだけ子供なんだ。
先生には敬語を使うと、小・中学校で習わなかったのか。

そうやっていればかっこいいと思っているのか。
反抗すればかっこいいと思っているのか。
ちょっと悪い事がかっこいいと思っているのか。



毎日毎日同じことを思いながら腹を立て、
友達と大爆笑して忘れ、

授業は決まってぼーっとする。




毎日が同じことの繰り返し、


今日もそんな一日が終わる。