さっき時計を見てからまだ5分しか経っていない

15分程寝てぼーっとして
寝ている隣の友達の手にシャーペンを刺して
少し笑ってぼーっとして

頬杖をついて
天井を見て
黒板の角を見て
床に落ちているごみを見て
先生の寝癖を見て

また時計を見て
ただ時が過ぎていくのを待った



今日も一日を浪費した、と
反省することもなく頭の中でつぶやく


そういえばこの進学校の進学コースに入ったのも
たまたま推薦入試の条件をクリアできていたから
筆記試験のないこの学校の面接を受け、当然のように合格したからだ


親や塾の先生たちからは、『公立だ、市で一番校の公立だ』と呪文のように言い聞かされていた。

私も少しは頑張ろうとしていた時期はあったが、すぐに飽きて宿題を真面目にしてきた日はかなり少なかった。


結局は受験もせずにこの私立高校

『あの一番校だったら、授業のスピードも速いから結局塾に行くことになるんだって。それなら最初から私立に入って授業料高い代わりに塾みたいに教えてもらえるんだから、頑張ればいいじゃない』

と必死に説得して、やっとの思いで受験という苦痛から逃れたのだった。



そうやって入った学校で
今日も私はみんながノートを必死にとっている間、目を泳がせている


悪い点数だって、『20点だった!よかった、20点あって!』と、笑いゴトにした。

そうすれば自分が守られるような気がした。
気持ちが軽くなった。だってみんなも笑ってくれたから。




みんなは難関大学志望だの国立大学志望だの言っているが、私自身は専門学校に行きたいと思っている。
もちろん両親が許すはずがないし、国公立大学に行かせるつもりらしいが、私の気持ちはきっと変わらないだろう。


なぜなら、苦痛な受験勉強をしなくても入れるから。