「あ、えと。小川君は気持ちを伝えないの?」

胸を締め付けられるような感覚に、女の子は困惑した。

何故なわからないが、無償に寂しくなった。

咄嗟に出た言葉は、自爆を意味するもの。

言った後に女の子は後悔した。


「伝えるよ。今から」

「あ、そっか。じゃあ、いってらっしゃい」


苦しい気持ちを押し込み、女の子は必死に笑顔を造った。







「好きだよ、夏目さん」



いきなり抱きしめられたかと思うと、耳元で囁かれたのは、愛を囁くものだった。

「……えっ?」