隆は学年で一番モテる。

隆のことは、興味なかった女の子。

しかし、今にしてわかった気がした。


「ううん、これ。小川君にあげる」

「本当に?嬉しい。ありがとう、夏目さん」


彼には独特の雰囲気がある。

その雰囲気に、みんな吸い込まれるんだ。


女の子は思った。


「俺ね、夏目さん。聞いてくれる?」

「うん」

そう答えると、隆は話し出した。


「好きな人に必死な子って、可愛いよね。俺、ある人が好きなんだ」

「そんなこと…私に言っていいの?」

「うん、大丈夫。だから、バレンタインを待ってた」


切なげに話す隆に、女の子は胸を締め付けられるような感覚になった。