「あ、あのっ。良ければこれ…」

おずおずと、小柄な女の子が長身の男に差し出した、1つの小包。

それは可愛く包装されている。

「ごめん。彼女いるから」

申し訳無さそうに断った男。

女の子は悲しそうな、泣きそうな顔をした。


「……失恋って、辛いね」

涙を一粒。

その涙は、女の子の頬を伝い、筋を残した。

「なぁ、泣いてんの?」

突然掛けられたら言葉。

女の子は慌てて涙を拭い、声のした方を向いた。


「小川君?」

そこに居たのは、クラスメートの小川隆。