「ククッ………ほら、ボーッと突っ立ってんなよ?」

そう言って蒼空は私の右手を握って何事も無かったように歩き出す。


……え、ちょっ!

なんですかこの右手は!?

しかも繋がれた右手は世間で言う恋人繋ぎになってるし!


そ、そりゃ彼氏とするのって憧れてたけど……

こんないきなりしかも、蒼空としちゃうなんて!


「そ、蒼空…!」

「ん?」

ホントになんも気付いてないの!?蒼空くん!


「て……、手!」


「………え、あぁ手ね」

少し考えてから繋いでる手に視線を移して納得してる。

考えちゃダメでしょ!


「別によくね?」

「えっ!でも私たち付き合ってないよ!?」


この私の一言に蒼空が少しムスッとした。


え、なんかやばいこと言った………のか?




すると蒼空は「はぁ……」とため息をついて、


「いんだよ、オレは兎を好きなんだから」



そんな発言を。