チラッとグラウンドを見る。
そしたらサッカー部の練習は始まったみたいで、グラウンドいっぱいに走る姿が見える。
蒼空の姿も発見し生き生きとボールを蹴っている。
「……今、琉稀のとこ行ったらいるかな?」
部活が終わるのもまだまだだし……行ってみようかな。
席を立ち上がろうとすると気のせいかない?
蒼空がこっちを見ている気がする。
「━━━━さ……兎っ!!」
「………えっ?」
外からかなり大きな声で私の名前を呼ばれた。
この声は間違いなく、蒼空だ。
窓を開けて身を少し乗り出す。
そろそろ夏だから、外の風が心地良い。
「兎!オレの練習してるとこ見とけよー!」
ここからでも分かるぐらいニカッとハニカんで、笑う蒼空は太陽に負けないくらい眩しかった。