「わりぃ……オレ、ただしたいって自分の意思だけだった。兎の考えなんて考えてなかった。」
さっきとはまるで違う切なげな声の蒼空。
「もう簡単にしたいとか言わねぇ」
私の意思をしっかりと受け止めてくれて琉稀も蒼空もやっぱり優しいと思った。
「ありがとね……蒼空」
笑いかけると蒼空の胸に私のカオを押し付けられた。
「ぬわっ、ちょ……なにするの!」
「今の……反則だろ……」
「なに?何て言ったの?」
顔を上げようとさらと腕でガッチリガードされててダメだ。
「そ、蒼空!腕どけてよ……!」
「今はムリ!しばらく顔あげんな……」
その時蒼空の顔が真っ赤だったことなんて私は知らない。