「……え、もしやお前からしたのか?」


そこは、私からじゃないですよ。

私にとってそこが重要じゃないんです。



「それは琉稀……からだけど……その、」

「その、なんだよ?」


えぇい!勢いでいこう!


「ファーストキス……だったり、した……」



もう声になるかならないかってくらい小さい声だったと思う。

全然勢いよくなかったよ……。



蒼空の方をチラッと見ると、


「え!ちょ、行かないで!」


もう目は殺りに行って来ますみたいな顔してて立ち上がろうとしたところに私が止めた。


「兎のファーストキスがアイツとかマジで許せねぇ……」

「蒼空……行かないで?」


もう一度言うとすんなりと蒼空が収まった。


良かった……って思ったら、



「……この状況も悪くねぇな?」


なんて、ニヤリと笑ってる。