そんなの……、
「他の人なら逃げるよ……」
もし知らない人に迫られたら……きっと逃げる。
蒼空はなんか逃げれなかった。
寧ろ待ってたくらいだし……、私ほんとどうしたんだろ。
「おー、ならいいけど……アイツにもそんな目ぇ瞑ったりすんじゃねぇよ?」
そう言われて琉稀との観覧車の中でのことを思い出してしまった。
「…………」
できるだけ平然を装わねば……、
蒼空にバレたらおわる!
「し、しないよ……多分……」
「多分ねぇー、てかもしかしてもうされてたりしてな」
「!?……な、なにもされてないよ?」
しまった……動揺してしまった。
気づかないで……!
無言でニッコリされたからニッコリし返した。
「……キスされた、よな?」
「はい……」
ダメでした……。