雨が降り止まずただ、さっきよりも小降りだ。

それを見て、また蒼空の方へ視線を戻す。


「なんで帰りたくな……!?な、ななに!」

「……チッ」


蒼空の顔がめちゃめちゃ近くに……!!

思わず仰け反る。


今にもキス出来そうな距離だったよ!?



「なななななんで……、なにしようとしたの?!」


「なにって……キス?」


真顔で言うな!!


「なっ、そんな急に!」


「急じゃねーよ?ずっと兎にキスしてぇって思ってた……」


と、思ったらちょっと切なそうな顔を……。


蒼空のその顔に私ちょっと弱かったり……。


「で……でも不意とかはダメでしょ?」


怒りたくても怒れない……。

すると、無言になる蒼空。



「…………じゃあ、」


一瞬笑った気がするのは気のせい……だよね?



「不意じゃなかったらしていーんだ?」


ニヤリと悪魔の笑みを浮かべた蒼空くんが目の前に。


気のせいじゃなかったあああ!!