私は、次の日、お隣の部屋にあいさつを

しに行った。




ピンポーン。




ガチャ。



「はい。」

扉の向こうから現れた人は、

言葉にならないほど、かっこよかった。

「あ、あの・・・

 隣の部屋に引っ越して来た、

 広瀬梨乃です。

 よろしくお願いします。」

「よろしくな。俺、小山海斗。

 高校3年生。

 まっ、わかんないことあったら

 なんでも聞けよっ。梨乃ちゃんっ。」


一気に顔が赤くなるのが、自分でも

わかった。




自分の部屋に戻り、ずっとさっきの出来事を

思い出していた。


小山海斗―。

髪の色は、ほんのりとしたブラウン。

見つめられたら、気絶しちゃいそうな目。

笑うとできる、えくぼ。






彼は、まるで王子様みたいな人だった。