あたしがそれを持ってぼーっとして立っていると
それに気づいたパパが
「璃子、そこらへんに行って吹いてきなさい」
と言って、海の音が聞こえるほうを指した
「やだ、あたし下手くそなんだもん」
「そんなこと言わないで。吹いてきなさい」
そういってパパは、あたしの背中を押した
あたしは仕方なく、海辺に足をはこんだ
あたしはそこに来た途端、
思わず感動してしまった
青い海、白い砂
たしか、そんなことを表す言葉が
あった気がする
まさに、それ!
なんともきれいな風景だった
あたしは海の方に走っていって
サックスを片手に抱えながら海水に触れた
ぴちゃっと音をたてて揺れる水
心がわくわくした
これから、こんなきれいな海の近くに住むのかあ・・・