家の近くの公園の
噴水の場所にやってきた。
手を強く引かれて
立ち止まる。
噴水の縁に座る先輩に
腰に腕を回された身体が身動きできなくなる。
『…俺をちゃんと彼氏にして?』
yesもnoも言わなかった。
『…彼に言うよ?』
そう言うと
先輩はじっと私の目を見ていた。
『同じ日、同じ場所で
別の男に抱かれてたって。』
温度のない瞳が見つめる。
追い詰められている事実だけが
静かに時間を絡めとる。
『…ソレ知ったら
嫌われちゃうかもなー…』
『……!?
それはやめて!!』
先輩はその言葉を待ってたかのようにニヤリと隠微に笑い手を差し出した。
『おいで…?』