幸先輩のキスは絶妙なタイミングで 絶え間なく降り注がれた。 頭がくらくらする。 幸先輩の手の中にいると 飼い猫のように気持ちが大人しくなってしまう。 不思議な感覚だった。 聖の時に感じる甘く強い感情 ではないけれど、 それよりも静かな、安定に似た感覚が ゆっくりと頭を支配する。 『………あ〜、ヤバイ… 離したくないかも。』