『…ちょっと何するんですか?!』


『……』


幸先輩は少し困ったように笑っていた。


『…仮にも付き合うなら
ちょっとは恋人らしくしないと』


幸先輩は包み込むように抱き締めると
髪に優しく触れ、

撫でるようなキスを
至る所に降り注いだ。


背中にぞくりとするような
違和感がはしる。


気の遠くなるような愛撫に埋もれながら
いつもどこか聖の感触が
消えないことだけを感じていた。


恋愛は洗脳に近いのもしれない。