『唯ちゃん、俺と付き合わない?』
『どこにですか?』
『…なにそれ?マジボケ?』
『…遠回しに断ってんですけど』
『……!アハハハハ!!』
先輩は一瞬ぽかんとして
次の瞬間にはお腹を抱えて笑いだした。
『……っ〜!!はぁ…
久しぶりにこんな笑ったわ』
目尻をさげて笑ってる幸先輩は子供みたいな無邪気さがあって、
いつものどこか大人びた笑顔ではなくて、なんだか少し…。
『どうしたら一緒にいてくれる?』
私は少し面倒くさくなって
さっさと先輩を適当にあしらってしまいたかった。
『先輩があの映画のおじさんみたいになれたらね』
どうせただついてきただけの映画の内容なんて覚えてないだろうと思い言った。
特に深い意味はなく発した言葉だったのに、先輩から返ってきた言葉は意外なものだった。