ほら、やっぱり清春は鋭い。


『るいち』なんて全然気づかないのに、清春は日記をちょっと見ただけで、あたしを見つけちゃうんだ。

涼しい顔で、あっさりと。



すごいよね。

普段ぼーっとしてるくせに。


あたしに、隠しごと1つ、させてくれないんだから。




「ねえ凛。どうして凛が、この日記を持ってたの?」




落ち着いた声に、泣きそうになった。


怒ってるわけでもない、責めてるわけでもない、ただ純粋に問いかけてきた声。

すべてをありのまま、受け入れるよって、言われた気がしたんだ。



この間、次は話すって、覚悟を決めたのは忘れてない。

だからあたしは、答えた。






「だってその日記、あたしのだから……」