本当にこのまま眠ってしまいたい。

そう思っていたけど、しばらくしてまたドアがノックされた。


いらないって言ったのに、お母さん薬持ってきたのかな。




「……凛?」




ちがった。

聞こえてきたのは、清春の声。


いつもノックなんてしないくせに。




「凛、入るよ」




ガチャリと、ドアの開く音が大きく響く。

返事なんてしてないのに、清春が入ってきて、ベッドの端に腰かけたのがわかった。


ノックしても、勝手に入ってくるんじゃ意味ないじゃん。


今日は本当にもう、放っておいてほしいんだよ。




「凛」


「……お願い。1人にして」


「やだ」




やだって……。

そんなこと言われても、あたしだっていやだ。




「バッグ落ちてたから、持ってきたよ」


「え?」


「あと、写真と日記も」




ページをめくるような音がして、あたしは思わず布団をはいで飛び起きた。