結局、一睡も出来なかった。


昨日のことを思い出す。
(よく考えれば、お父さんやお母さんだけじゃなくて、サークルの皆にも口止めしてたんだよね・・・)



どうして、そこまで・・・。




それに、知ってしまった今、これからどうすればいいのかが分からない。



「そうだっ、陽子に相談・・・・・・あ・・」



陽子は、木原くんのことが、好きなのかな。
もしそうだとしたら、こんなこと話したら迷惑なのかもしれない。



(本当に、どうしよう・・・・)



分かってる。
全てが今更過ぎたんだってことくらい。

一番いいのは、このまま知らなかったふりを続けること。
そして、ささくんと付き合いつづけること。

そうすれば誰も傷つかないで済む。


(・・・でも、木原くんは・・・?)



私と付き合ってたのに、ささくんと付き合って・・
それにささくんも・・・付き合ってたことを知ってたはずなのに、どうして私と付き合ってくれたの?




きっと、もう。

誰も傷つかない方法を見つけるには、遅すぎたんだ───・・・。



「ごめん、なさい・・」


誰もいないのに、私はまたそう謝った。