いつかが事故に遭った数日後、文人くんと、部活の先輩の方が家に来た。
「おばさん、すみません。お邪魔します」
「ふ、文人くん・・?どうかしたの、・・あっ、荷物か何か忘れてた?」
そう聞くと、文人くんは首を横に振った。
「じゃあ・・?」
私がそう不思議そうに聞くと、後ろで黙っていた、温厚そうな彼・・藤谷くん、って言ったかしら?彼が変わりに答えてくれたわ。
「すみませんっ、あ、あの、お父さんも居ますか?文人が話あるみたいなんです。」
「ええ、・・・あ、とりあえず中に入って、お父さんも呼ぶから。」
リビングに通すなり、文人くんは私たちに土下座をした。
「あのっ、・・このたびは、俺のせいで・・・そのっ!!」
あの日から何度も聞いた、文人くんの謝罪。
私たちは、本当に文人くんが悪いとか思っていない。
「ふっ、文人くんっ!?」
「文人くん。顔をあげなさい。私たちは本当に、何も君のせいだなんて思っていないんだ」
お父さんも、そう不器用だが優しく言った。
隣に居た藤谷くんは、おろおろしていた。
「それで、あの。提案なんですけど・・・ケジメをつけたいので、彼女と別れようと思っています。」
「いつかと、別れる・・?そんな、文人くん・・・?」
「・・・。」
お父さんは、鎮痛そうな面持ちでその話を黙って聞いている。
文人くんは、土下座から体制を変え、正座をして言う。
「いつかは記憶を失っていますよね。だから、俺との関係のことはなかったことにして、教えないであげてください。
後、できれば部屋にある俺との写真とか、・・・処分、したいんです」
文人くんは心底悲しそうにそう言った。
真面目な性格なんだろう。それゆえ、譲ることができない。
お父さんそっくりだわ。全く。
「・・・文人くんが言いたいことは分かった。でももし・・娘が記憶を取り戻したらどうするんだね?」
お父さんが、そう寂しそうに言った。
お父さんも何だかんだで文人くんを気に入っていたから。
「その時は・・・いつかの好きにさせてあげたいです。
でも、付き合うことは・・・、俺なんかと付き合って彼女にまた、もしものことがあったら・・俺・・・」
文人くんは、そう言ってから俯いて、肩を震わせていた。
お父さんは彼の肩にぽんと手を置いてから、いつかの部屋に連れて行った。
それから数時間して、文人くんは思い出の品をまとめて、
私たちに深くお辞儀をしてから家を出て行った。
「おばさん、すみません。お邪魔します」
「ふ、文人くん・・?どうかしたの、・・あっ、荷物か何か忘れてた?」
そう聞くと、文人くんは首を横に振った。
「じゃあ・・?」
私がそう不思議そうに聞くと、後ろで黙っていた、温厚そうな彼・・藤谷くん、って言ったかしら?彼が変わりに答えてくれたわ。
「すみませんっ、あ、あの、お父さんも居ますか?文人が話あるみたいなんです。」
「ええ、・・・あ、とりあえず中に入って、お父さんも呼ぶから。」
リビングに通すなり、文人くんは私たちに土下座をした。
「あのっ、・・このたびは、俺のせいで・・・そのっ!!」
あの日から何度も聞いた、文人くんの謝罪。
私たちは、本当に文人くんが悪いとか思っていない。
「ふっ、文人くんっ!?」
「文人くん。顔をあげなさい。私たちは本当に、何も君のせいだなんて思っていないんだ」
お父さんも、そう不器用だが優しく言った。
隣に居た藤谷くんは、おろおろしていた。
「それで、あの。提案なんですけど・・・ケジメをつけたいので、彼女と別れようと思っています。」
「いつかと、別れる・・?そんな、文人くん・・・?」
「・・・。」
お父さんは、鎮痛そうな面持ちでその話を黙って聞いている。
文人くんは、土下座から体制を変え、正座をして言う。
「いつかは記憶を失っていますよね。だから、俺との関係のことはなかったことにして、教えないであげてください。
後、できれば部屋にある俺との写真とか、・・・処分、したいんです」
文人くんは心底悲しそうにそう言った。
真面目な性格なんだろう。それゆえ、譲ることができない。
お父さんそっくりだわ。全く。
「・・・文人くんが言いたいことは分かった。でももし・・娘が記憶を取り戻したらどうするんだね?」
お父さんが、そう寂しそうに言った。
お父さんも何だかんだで文人くんを気に入っていたから。
「その時は・・・いつかの好きにさせてあげたいです。
でも、付き合うことは・・・、俺なんかと付き合って彼女にまた、もしものことがあったら・・俺・・・」
文人くんは、そう言ってから俯いて、肩を震わせていた。
お父さんは彼の肩にぽんと手を置いてから、いつかの部屋に連れて行った。
それから数時間して、文人くんは思い出の品をまとめて、
私たちに深くお辞儀をしてから家を出て行った。