そのとき、
俺はびっくりするくらい身体が動かなかった。
頭も考えがつかなくって、立ち上がろうとしても出来なくて。






気がついたら、隣に座っていた文人が海へ走り出していた。







俺はそれを、呆然としてみているだけだった。




文人が、気を失っているいっちゃんを助けて連れてきた。
文人はすごい焦っていて、半年前の事故のことを思い出させた。






(俺、彼氏失格だ。・・・文人に任せられたクセに、守れなかった)





それに、いっちゃんのあの様子じゃ、きっと気付いてるんだろう。





・・・でもね、もう離せないよ
もしいっちゃんが気付いていても、文人の元に戻してなんかやらない。











俺は、いっちゃんが本気で好きだ。



かっこ悪くてもみっともなくても。














好きなんだ。