「ごめんなさい、遅れたわ」


しばらくして加奈先輩とふじ先輩が戻ってきた。
二人は少し疲れたような顔をしている。


加奈先輩は、どうしてかふじ先輩のパーカーを羽織っていて、少し暑そうだ。



「どうかしたんすか、先輩?」
ささくんが、怪訝そうに訊ねる。


「それがねー、ふじくんったら酷いのよ!せっかく可愛い水着買ったのに、着替えろなんていうんですもの!!」



その言葉を聞いて、その場の先輩方を除く皆がああー、と声を漏らした。


「あ、あああんな生地の面積が少ないやつ・・・」

ふじ先輩、どもってますよ・・・。


「ま、まぁいいよ。・・それより皆、お腹すかない?そろそろお昼になるけど・・」

ふじ先輩がいつもの笑みをみせながら言う。
確かにお腹すいたかもしれない・・。



「そうですね、何か買ってきましょうか」
「そうねえ・・・じゃあ頼もうかしら。」



じゃあ俺行って来ます、といって海の家まで行こうとする木原くん。




「あ、じゃあアタシも行く。」

陽子も釣られるように、木原くんについていった。