────夏。
照りつける太陽が眩しい季節。
また新しい季節がやってきた。
・・・なのに、私の心はただただ暗くて重いだけだった。
────────そしていつかの記憶より。
大学は夏休みに入っている。
…そして今日は、サークルの皆で海に来ています!
かなり楽しみで、テンション高めです!
(・・・はずなのに、前のことが気になってあんまりはしゃげないよ~~・・)
前のこと、というのはあのスケジュール帳のことだ。
結局、私はあのスケジュール帳を部室に置いて帰ってしまった。
後日気にしてみると、やっぱりあれは木原くんの物で違いないようだった。
(私の写真・・・木原くんと、ツーショットの・・)
幾度となく、頭で繰り返された1つの”仮説”。
それを頭に浮かべるだけで、私はいけないことをしているような心境になる。
違う、違うんだよ、私───…。
そう心の中で呟いて、落ち着く。
そうだ、深呼吸。深呼吸をしよう!
スー・・・ハー・・・スー・・・・
「いーっちゃん!」
!?
「さっ、・・ささくんっ」
後ろから急に出てきたささくんに驚いて、私はよろけそうになってしまう。
「・・・大丈夫?」
ささくんが不思議そうな顔をする。
私はうん、と笑顔で頷いた。
(だめだめ、ささくんを心配させちゃ・・・)
そう思って、もう一度ささくんに向き直った。
いつの間に着替えたのか、彼は水着姿で準備万端だった。
「いっちゃん、その水着可愛い。似合ってる!」
「そうかな・・ささくんもすごくカッコイイよ!」
「マジ!?っへへー!超うれしい」
屈託のない笑みを浮かべるささくん。
心が晴れていくような気分になる。
「ふじ先輩、パラソル借りてきましたよ」
ふいに木原くんの声が聞こえて、どきっとする。
何でこんな・・・。
「悪いね、文人。・・・っと、加奈、ここでいいか?」
「あ、うん。へいき。・・・ふみくん、ふじくん、ありがと~」
加奈先輩は、ブルーシートの敷かれた上にちょこんと座っていた。
日の光に強くないらしく、海に来ても毎年こうしているみたいだ。
大きな白い麦藁帽子が、彼女の白い肌によく似合うな、と思った。
照りつける太陽が眩しい季節。
また新しい季節がやってきた。
・・・なのに、私の心はただただ暗くて重いだけだった。
────────そしていつかの記憶より。
大学は夏休みに入っている。
…そして今日は、サークルの皆で海に来ています!
かなり楽しみで、テンション高めです!
(・・・はずなのに、前のことが気になってあんまりはしゃげないよ~~・・)
前のこと、というのはあのスケジュール帳のことだ。
結局、私はあのスケジュール帳を部室に置いて帰ってしまった。
後日気にしてみると、やっぱりあれは木原くんの物で違いないようだった。
(私の写真・・・木原くんと、ツーショットの・・)
幾度となく、頭で繰り返された1つの”仮説”。
それを頭に浮かべるだけで、私はいけないことをしているような心境になる。
違う、違うんだよ、私───…。
そう心の中で呟いて、落ち着く。
そうだ、深呼吸。深呼吸をしよう!
スー・・・ハー・・・スー・・・・
「いーっちゃん!」
!?
「さっ、・・ささくんっ」
後ろから急に出てきたささくんに驚いて、私はよろけそうになってしまう。
「・・・大丈夫?」
ささくんが不思議そうな顔をする。
私はうん、と笑顔で頷いた。
(だめだめ、ささくんを心配させちゃ・・・)
そう思って、もう一度ささくんに向き直った。
いつの間に着替えたのか、彼は水着姿で準備万端だった。
「いっちゃん、その水着可愛い。似合ってる!」
「そうかな・・ささくんもすごくカッコイイよ!」
「マジ!?っへへー!超うれしい」
屈託のない笑みを浮かべるささくん。
心が晴れていくような気分になる。
「ふじ先輩、パラソル借りてきましたよ」
ふいに木原くんの声が聞こえて、どきっとする。
何でこんな・・・。
「悪いね、文人。・・・っと、加奈、ここでいいか?」
「あ、うん。へいき。・・・ふみくん、ふじくん、ありがと~」
加奈先輩は、ブルーシートの敷かれた上にちょこんと座っていた。
日の光に強くないらしく、海に来ても毎年こうしているみたいだ。
大きな白い麦藁帽子が、彼女の白い肌によく似合うな、と思った。