「りっちゃんだよね?」 ふいに呼ばれた名前に反応して 携帯から目線をあげた。 少し戸惑ったが、 どうやらあたしの名前を言ったのは さっきの高校生だった。 「…はい。」 驚きと戸惑いで、だいぶ声が小さくなった。 返事ができたことだけでも、大したことだ。 「やっぱりか!」 高校生は一瞬だけ、ほっとしたように笑顔を向けて また友達とお喋りを続けた。