「じゃあ、今日はどこに泊まるの?」


「う~ん。市内のバッパー(バックパッカーズ、宿屋)かな。でも、パスポート無くて泊まれんのかな?」


あたしはここに来る以前にカナダやアジア諸国を旅したことがあるけど、どこでも必ずパスポートの提示を求められた。


国際免許でも果たして泊まれるのかと不安になった。


でもオークランドはニュージーランド一の都会で、日本人専用のバッパーもあるから事情を話せば大丈夫かもしれない。


あたしは隣に座る少年をちらっと見た。


この少年にも用事があるかもしれないし、長話は出来ない。


「月曜日朝一でエージェントに電話して、総領事館の場所とかホームステイの連絡先聞くから。

・・・うん。心配しないで。何とかするから。じゃあ、また電話する」


気丈に言って、急いで電話を切った。


そして少年に携帯を返すと、


「What will you do?(これからどうするの?)」


と聞かれた。