ブラジル人がいなくなって、あたしは2ラインを担当することになった。


といってもいなくなる前から2ラインやっていたようなものなので別に気にならなかった。


左のマリアは仕事が出来るらしく、3ラインも任されていた。


どんなに忙しくてもすごいスピードで箱を作って流している。


あたしみたいにラインにポンと置くんじゃなくて、箱を滑らせるようにして置いていた。


その方が速く出来るらしく、あたしも練習させられた。


3メートル位遠くから箱を投げ入れる。


スーーー、ボトッ。


あっ、落ちた。


あたしが投げた箱が床に落ちる度にマリアは笑った。


何か仕事じゃなくて輪投げでもやっている気分だった。


何回もやってラインに入ると、マリアは手を叩いて喜んでくれた。


ハイタッチをして、それがとても嬉しいことのように感じた。