ここの工場は頻繁にラインチェンジがあり、今日も忙しかった。


箱を切らさないように急いで作っていると、横にあのブラジル人がいた。


「どうしたの!?」


「お別れを言いに来た」


そして彼はあたしにお別れのハグをしてくれた。


マリアにもミルクにも職場のみんなにも。


彼は辞める時も相変わらずだったけど優しかった。


今日はエプロンの返却に来たという。


あたしは忙しくて殆ど話せなかったけど、彼の温もりを思うと少し切なくなった。




今日は仕事が休みだった。


元から休みなのではなく、キウイの取れ高が少なかったからだそうだ。


ニュージーの秋は雨が多く、そういったことが度々あった。